シンプルライフ物語

子育てと自分育て家事、断捨離、片付け、ミニマリスト、宝塚などについてシンプルラフまでの道を綴ります

「家事のしすぎが日本を滅ぼす」に感じた違和感とは?

家事のしすぎが日本を滅ぼす」という本が話題になっています。


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私は「家事をしなさすぎて家庭を滅ぼし」かけているので、今さら読む気もしなかったのですが、ざっと目を通してみたところ違和感だらけの読後感でした。
その違和感とは?

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まず、ターゲット層がそもそも「私」ではありませんでした。
この本のターゲットは、「キャリアウーマンで仕事もバリバリやりたいけれど家事も完璧にこなさないといけない」という「家事プレッシャー」に悩む女性。

真面目で、負けず嫌い、何でも完璧にこなしたいタイプの女性をターゲットにしているようでした。

片や私のように「仕事で頑張る自信がないし、お金を稼ぐ力がそもそもないから、せめて家事くらいはやらないと」とキャリアをあきらめ、家での暮らしに価値を見いだしている女性はターゲットではありません。

だから、この本を読んだところで馬の耳に念仏状態。

ただ、私が「いただけないな」ともっとも思ったところ。

それは、「日本人の暮らしを否定して、海外の事例を引っ張り出してくる」というところです。

「アメリカではこんなに進んでいる」
「フランスではこうだ」

みたいなのはもう勘弁して欲しい。

海外が良くて日本はダメだという思考が、優れた日本の伝統を壊し、日本人の自己肯定感を低めてきたからです。

私は日本の伝統食について趣味で研究してきましたから、戦後、スゴい勢いで壊されてしまったことを残念に思っています。

その最たるものが、当時の旧帝国大学の教授による理屈。

「日本人はコメを食べていたから戦争で負けた」
「欧米人はパンを食べるから日本人より優秀だ」

それで、日本人はこれまでの食のスタイルをガラリと変えて、欧米式に見習ったのです。

テレビの料理番組では、西洋料理を取り上げ、「大さじ○杯」「小さじ○杯」などとやっていたものだから、料理がとても面倒になってしまいました。

料理番組が日本の多くの女性を料理嫌いにさせたのではないでしょうか?

元々日本の田舎料理は手抜きそのもの。

季節の野菜を

漬けるだけ
切ってゆでるだけ

のようなシンプルなものでしたが、とても元気で健康でした。

その秘密は、日本の独特の風土が生んだ「麹」を始めとする発酵食品にあります。

漬け物
味噌
甘酒

など、常温でほったらかしで長時間熟成させたものを取り入れることで元気な身体をキープ。

料理に手間暇かけなくとも充分だったわけです。

田舎では、農作業などで朝から晩まで忙しく動き回っていましたから料理などの家事に時間をかけているほど暇ではありませんでしたから。

戦後です。
料理が複雑になり、品数があって、たくさんの種類の材料を集めて手の込んだものを「手料理」と称するようになったのは。

戦前の手料理と戦後の手料理は、全くべつもの。

キャリアウーマンやサラリーマンは日本の伝統食を、食卓に取り戻すとかなり助かるんじゃないかなと思います。

「手料理」を戦前と戦後の料理をひとくくりにして語って欲しくないと強く思いました。

あと、片づけや断捨離、丁寧な暮らしなどについて否定的な考えを述べられていましたが、私は「いいんじゃないの、それくらい」としか思いませんでした。

「整理整頓された快適な暮らし」「ものがなくとも豊かな暮らし」を追求することと日本が滅びることは全く違う問題。

日本が滅びるより先に、専業主婦の存在が絶滅していくでしょう。

今後は、「人手不足」とか「一億総活躍」とか発破をかけられて、女性も外で働き、家事なんてやっている場合じゃありません。

ただ、家事こそ暮らしの原点。

しかし、家事は女性だけのテリトリーではありません。

上手に家族を巻き込んで一緒に家事をすることが益々大事になってきているんじゃないかと思いました。

家事のしなさすぎは家庭を滅ぼす。

わが家にとっては、こっちの方が深刻です。