シンプルライフ物語

子育てと自分育て家事、断捨離、片付け、ミニマリスト、宝塚などについてシンプルラフまでの道を綴ります

「心を洗う 断捨離と空海」なぜ断捨離は、他の片づけとは違うのか?

を洗う 断捨離空海」は、断捨離のやましたひでこさんと真言密教の実践者である永田良一氏による共著です。


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最初は、宗教色が強くて、取っつきにくいかな?と思いましたが、そんな心配を裏切り、とても面白い内容でした。

面白かった点は、以下の3点です。

  • 1.本の構成が一般的な本とは違ったものになっていること
  • 2.断捨離を真言密教から読み解く視点
  • 3.心のあり方と生き方をひっくるめて俯瞰できたこと

この本により、断捨離が他の片づけや整理収納、ミニマリズムなどとの大きな違いを確認できました。

面白かった点から、その詳細についてをご紹介します。

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 なぜ、断捨離は他の片づけとは違うのか?

「心を洗う 断捨離と空海」より、面白かった点から、断捨離と他の片づけ等との違いを見ていきます。

1.本の構成が一般的な本とは違ったものになっていること

この本の構成は、3部構成になっています。
第一部では、やましたさんが断捨離の理論体系を作るまでのヒストリーが紹介されています。

ここで、断捨離の理論が、沖ヨガ、高野山の修行僧からのインスピレーション、空海とヨガの関係、更には原始仏教の宇宙観や合気道、カタカムナと真言密教とのつながり、そして「心身一如」という考え方から「物心一如」に発展して作られていった経緯などが詳しく書かれています。

断捨離の理論は、ヨガの考え以外にも日本の原始仏教、合気道、心と身体のエキスパートなどの3人の男性と彼らが体得したものが組み合わさり、作られています。

この点からも、断捨離が他の片づけとの違いを確認できました。

第二部で、永田良一氏による、「空海の生涯」と「空海と最澄との関係」をコンパクトだけれども詳しく紹介されています。

これまで、歴史の教科書で、

「空海と最澄が遣唐使として中国から日本に仏教を伝えた」とか、

「空海は、高野山に金剛峯寺を作り、最澄は比叡山に延暦寺を作った」

くらいしか知識がありませんでしたが、空海の誕生から入仏まで、空海が残した経典などを絡めて一緒に解説されています。

更に、空海と最澄の関係まで切り込み、歴史の教科書からは学べない、2人の偉人の人間的な側面を垣間見ることができました。

第三部で、やましたひでこさんと永田良一氏による短いエッセイが、リレーのようなつながりで掲載されています。

この第三部が、1番面白かったです。まず、やましたひでこさんが断捨離についての考え方をエッセイで紹介、そのやましたさんの考え方に永田良一氏が、空海または真言密教の視点から解説を加えたエッセイを書いています。

永田氏の解説は、簡単な言葉で書かれており、とても分かりやすいですが、深い内容です。

このようなお二方のエッセイが20編以上おさめられています。

この部分だけ読んでも、断捨離や真言密教、空海について深く知ることができます。

2.断捨離を真言密教から読み解く視点

第三部の永田良一氏のエッセイによる断捨離の理論の解説で、断捨離を真言密教の視点から読み解くことができます。
特に、「断捨離とミニマリストの違い」や、「欲」についてのつきあい方、断捨離によって得られる「俯瞰力」や断捨離的な収納方法である「3分類の法則」などを真言密教の教えから迫る内容は、断捨離は単なる片づけに終わらず、崇高な世界に通じていることを理解できました。

3.心のあり方と生き方をひっくるめて俯瞰できたこと

この本では、沖ヨガの考え方や真言密教の経典などが解説付きで紹介されています。

中でも沖ヨガの「捨の心」と空海の「十往心論」は、個人的に響きました。

「捨の心」

断捨離の語源にもなった沖ヨガの指導者である沖正弘氏による「捨の心」という教えが掲載されています。

この教えは、

「捨てきったときのみ真実は入ってくるのである」

という言葉で締められており、「捨てる」ことに対する知見には、いくつもはっとさせられました。

例えば、冒頭部分の

宗教の心とは、捨の心である。捨の心とは求めぬ心である。離れた心でもある。忘れた心でもある。気にかけぬ心でもある。ひっからない心である。執着せぬ心である。そのまま受け取る心である。……

と言ったような教えがつらつらと書かれています。

この文章に目を通すだけでも、「捨てられない」というこだわりが解けていくのではないかと思いました。

「十往心論」

「十往心論」は、心の段階を十段階で表したもので、空海による真言密教の究極の境地とも呼ばれる教えです。

具体的には、

第一往心 自分の心が闇にいることを知る
第二往心 善き心の兆し、御仏のもとに帰る旅の始まり
第三往心 祈りの心に目覚める、その初心が天界の道に通じる
第四往心 自我の実体は実在しないことを知る
第五往心 一切のものごとは因縁によってなることを体得する
第六往心 すべての生命に愛の心を起こすことで大いなる慈悲が生じる
第七往心 この世のあらゆるものは幻であると知る
第八往心 生きとし生けるもの、すべての心と身体は本来滑らかである
第九往心 迷いの心の波が静まらないから、自分の心を悟ることができない
第十往心 宝の庫に扉多開いたとき、思いもよらないわが心の大きさを知る

因みに私は十段階目と九段階目をウロウロしている状態です。

残りの人生を使い、どこまで行けるのか?もっと上を目指してみたいという目標が見えてきました。


この「捨の心」と「十往心論」の教えにより、現在の自分自身の心のあり方、生き方について俯瞰することができたのが物凄い収穫でした。

最後に

断捨離をより深く理解し、続けることで見える世界を確認することができました。

断捨離は、単なる片づけではないし、ミニマリストとは、全く違うスタンスをとっていることも理解でき、

今まで私の中で曖昧になっていた部分が明るくなりました。

また、この本は、断捨離を通じて生き方や心の在り方を見直して行くガイドになると思いました。

永田良一さんの解説する真言宗の教えは、とても分かりやすく、空海、真言密教など興味はあってもなかなかその手の本には手が届かない、ハードルが高くて読みこなせないという方にとっても、期待を裏切らない内容になっています。

断捨離とその背景になっている考え方などを学びたい方は、一読されることをおすすめします。

ちなみに、この本は、Amazonのfireタブレットを使って音声で聞きました。

 

Fire 7 タブレット (7インチディスプレイ) 8GB

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字を目で追って読むよりも、音から入ってきた方が理解が進みますね。

fireタブレットの記事はこちらで紹介しております。⇒断捨離の候補だった、アマゾンfireタブレット。読み上げ機能が快適すぎてフル活用! - シンプルライフ物語

aouei.hatenablog.jp

文中の引用は、「心を洗う 断捨離と空海」より抜粋しました。