ギトギトの油汚れに困っていませんか?
わが家は、油汚れを小まめに落としていなかったせいで、キッチンのあらゆるものがギトギト。
コンロのスイッチからその周り、更に鍋までねっとりしていました。
油汚れには「重曹」というイメージが強かったのですが、最近では「重曹」以外にもナチュラルに落としてくれる洗剤が出ています。
一体どれが、油汚れに最適なのでしょうか?
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油汚れに最適なナチュラル洗剤とは?
油汚れには、アルカリ性の洗剤が威力を発揮します。
「重曹」は、アルカリ性の代表格。ひと昔前までは、重宝されてきました。
しかし、最近は、「重曹」以外にも、「セスキ」や「アルカリ電解水」というアルカリ性のナチュラル系洗剤が登場。
それぞれの原料をご紹介しますと、
「重曹」は、塩と石炭
「セスキ」は、トロナセスキ鉱石
「アルカリ電解水」は、水と塩
全て自然界に存在するものからできています。
では、ホントのところ、一体どれが油汚れに適しているのでしょうか?
いろんな角度から比較&検証してみましょう。
油汚れの洗浄力のカギは、pH
pHとは、その水溶液が持つ性質を強度で測る単位です。
理科の実験のリトマス試験紙でおなじみの酸性やアルカリ性の強度を測る時に使われることが多いですよね。
PHは、その数字が大きくなれば、酸性はアルカリ性が強く、数字が小さければ低くなります。
そのため、油汚れの洗浄には、「アルカリ性のPHが高いものがより落ちやすい」とも言えます。
「重曹」「セスキ」「アルカリ電解水」アルカリ性のPH比較
「重曹」8.4PH
「セスキ」9.6~10PH
「アルカリ電解水」11~13PH
アルカリ性のPHの比較結果は、
「アルカリ電解水」>「セスキ」>「重曹」
の順番になりました。
油汚れを落とすまでの使い方の比較
重曹
「重曹」は、粉のまま使い、粒子を利用して研磨して油を落とします。たわしでゴシゴシして落とすイメージですね。
セスキ
「セスキ」は、500ミリリットルの水に小さじ1を入れて、スプレー容器に入れて使います。または、浸け置き。
1時間ほどセスキを溶かしたお湯に浸けておくと、汚れが落ちやすくなります。
ゴシゴシ力を入れなくとも、ペロペロという感じに汚れが落ちました。
<実例>
鍋敷きです。油でぎっとり汚れています。
ミニフライパンです。重曹などでも落ちないほどぴったりと油汚れが引っ付いてしまいました。
裏側は、何度か研磨して落とそうとトライした形跡がありますが落ちませんでした。
これらを、「セスキ」をお湯で溶かしたバケツに入れて1時間ほど放置。
1時間後に、「セスキ」の入ったバケツから引き上げた直後はまだ油がぎっとり付いた状態です。
たわしで撫でたところ、ぺろぺろという感じで汚れが落ちていきました。
最終的には購入した当時の姿になりました。
アルカリ電解水
「アルカリ電解水」は、スプレー容器に入った液体で販売されていますので、そのまま使います。
汚れの酷い部分には、
塗布したあとにキッチンペーパーなどでパック。更に塗布すれば、ギトギトしていた部分が、サラサラの状態になっています。
「アルカリ電解水」の使用例につきましては、キッチンペーパーの代わりにハンカチを使う例として、下記の記事にも紹介いたしました。よろしければご覧ください。
⇒使わなくなった、いらないハンカチの意外な使い道とは? - シンプルライフ物語
使い方と手間から使いやすいものを比較すると
「アルカリ電解水」>「セスキ」>「重曹」
「アルカリ電解水」は、力を入れてゴシゴシしたり、何度かすすいだりする必要がない分、他の二つよりも手軽に使えました。
コストの比較
楽天の最安値(2018年10月19日現在)から比較
「重曹」→0.45円/g
「セスキ」→0.52円/g
「アルカリ電解水」→0.42円/g
「重曹」と「セスキ」は、水で薄めて使いますので、「アルカリ電解水」のほぼ10~50倍の量と同じだと換算できます。
コスト順で考えると
「重曹」<「セスキ」<「アルカリ電解水」
になり、「重曹」がもっとも安上がりです。
その他の用途
油汚れ以外の用途でどんなものの使えるのかを見てみましょう。
「重曹」
「重曹」は研磨作用、除湿、消臭効果が期待できます。
「セスキ」
「セスキ」は、油汚れを落とす他に、汗や皮脂、血液などのたんぱく質の汚れを落とします。
また、洗濯機での洗剤の代わりに使ったり、漬け置き洗いなどの予洗いもできます。
「アルカリ電解水」
「アルカリ電解水」は、「セスキ」とほぼ同じように、油汚れなどやたんぱく質の汚れの他、洗濯機での洗剤の代わり、漬け置き洗いの予洗いができます。
使ってはいけないもの
「重曹」
漆器などの柔らかい素材は、重曹の粒子で傷がつきますので使わない方が良いでしょう。 畳は変色しますし、アルミも黒く変色しますので「重曹」は適しません。 白木にも使えません。
「セスキ」
「セスキ」を使うと、畳は黄色く変色したりしミになります。白木などの木質系の素材は、シミがついて落とせません。繊維素材のカーペットなどは変色します。また、アルミも黒く変色します。土壁や漆喰なども使わない方が良いです。
「アルカリ電解水」
「アルカリ電解水」の使ってはいけないものは、セスキとほぼ同じです。
「重曹」「セスキ」「アルカリ電解水」の比較表
おさらいに、一覧表にまとめておきます。
重曹 | セスキ | アルカリ電解水 | |
---|---|---|---|
原料 | 塩と石灰 | トロナセスキ鉱石 | 塩と水 |
PH(アルカリ性) | 8.4 | 9.6~10 | 11~13 |
使い方 | 汚れ部分に塗布してゴシゴシ落とす | 汚れ部分に塗布したり、漬け置きして洗う 水洗い必要 |
汚れ部分に塗布する |
コスト | 0.45円/g | 0.52円/g | 0.42円/g |
その他使える用途 | 研磨作用、除湿、消臭効果 | 汗や皮脂、血液などのたんぱく質の汚れを落とし。 洗濯機での洗剤の代わりに使ったり、漬け置き洗いなどの予洗い |
|
使えない用途 | 漆器などの柔らかい素材 白木、畳、アルミ |
ステンレス以外の金属、ウールや絹などのアルカリに弱い繊維、色落ちしやすい衣類、草木染のもの |
結論
最終的にどのナチュラル洗剤が、油汚れを落とすには最適か、というと「アルカリ電解水」になりました。
コスト的な面から言えば、「セスキ」を水で薄めて使った方が安上がりです。
「重曹」は、他の2つに比べてアルカリ度が低く、手間もかかるという結論になりました。
しかし、「重曹」は、除湿や消臭効果なら他の二つに負けません。
まだまだ「重曹」も現役で活躍、出番もたくさんありそうですね。