他人より劣っている。
私はものごころついた頃から、他人より劣っているという劣等感とともに生きてきました。
小学校時代の担任からは「バカ扱い」され、酷く傷つきました。
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だからといって卑屈になっていたわけでもなく、頑張ればどこかで報われるだろうと考えて一生懸命勉学に励んでいた時期もあります。
中学時代は私の黄金期。テストの点の取り方を覚えて成績は一時的に上がりました。
しかし、高校の勉強は理解が追いつかず暴落。
再び暗黒の時代に突入しました。
社会人になってからは、能力的に他人より劣ることを自覚する場面に多々遭遇。
例えば、
体力が著しくないため、徹夜で仕事できない。
営業成績が振るわず、お給料も同期たちより少ない。
臨機応変が効かず、社内での立ち回りが下手くそ。
体力、精神力、頭脳、人間関係において、他人よりも劣っていると言う事実が次々に露呈され、自分で自分がイヤになっていた時もありました。
で、しばらく長い長いトンネルの中で自分を虐待しながら生きてきました。
私ってダメな人間
なんてバカなんだろう
生きているのが恥ずかしい
精神的に追い込まれ、まともな仕事に就くのが怖くなり、時給の低いバイトを1日に3つくらい掛け持ちして生活していた時期もありました。
さすがに、1日に3つの仕事は体力的にキツく、1か月も続かずダウン。仕事も収入もなく、カードローンの借金で食いつないでいた時期もありました。
そんな底辺の生活を送って感じたことは、「能力が低いということでとてつもないペナルティを科せられる」ということ。
仕事は能力の高い人たちに与えられ、お金もそちらに流れます。
能力の低い人間は、誰もやりたがらない仕事を一生懸命汗水流して働き、微々たる収入で我慢しなくちゃいけない。
能力の高い人たちからみれば、私のような能力の低い人を、
「サボっている」
「怠けている」
「根性がない」
「甘ったれている」
「どんくさい」
「自業自得だろ」
など、本人の努力が足りないダメ人間に見えるかもしれません。
しかし、能力が低い人は、どんなに頑張ったところで、能力の高い人たちのレベルに到達できないのです。
ある日突然、能力が低い人が能力の高い人間にレベルアップしていたと言う奇跡はほとんど起きません。
だんだん諦めのような境地になり、益々自分の能力の無さを責め立て苦しむようになっていったのです。
その頃の私の心理状態は最悪。自分より弱い者や能力が劣る人を見ると優越感を覚えたり、意地悪をしたりするくらい心が腐っていました。
でもある程度自分を追い込むと、なぜ能力が低いということでここまで厳しいペナルティを科せられるのか?
能力の低い人間は、社会の中でゴミのように扱われなくちゃいけないのか?
能力が低いことで人格まで否定されなくちゃいけないのか?
何も悪いことしていないし、むしろ社会の中では「善良な一般人」の部類に入るかもしれないのに。
疑問に思うようになってきたのです。
能力が低いことは、社会にとっては「役に立たない」意味で多少責められることがあるかもしれませんが、私までその能力のない自分を責め立てることはないのではないのか?
少なくとも、私だけでも能力の低いことを許してあげても良いのではないのか?
そんな風に思うようになってからは、少しは生きるのが楽になりました。
心の中にやっと平和が訪れた感じです。
ようやく自分自身の尊厳も取り戻しつつあります。
そして思ったこと。
社会が、能力の低い人や弱い人に対してもっと寛容になったら殺伐とした事件は少なくなるのに。
そうすれば、弱い者いじめとかもなくなるでしょう。
社会で虐げられた大人が、家庭で自分より弱い子どもを虐待するようなこともなくなるはず。
これ以上痛ましい事件が起きませんように。